Ri.Night Ⅳ
「──この日をずっと待ってた」
「………っ」
「お前が戻ってくるのをずっと待ってた」
「十夜……」
もう、涙が溢れて止まらない。
「……あたしも」
十夜への感情が溢れて止まらない。
「あたしも、ずっと待ってた」
やっと“ここ”へ戻って来れた。
「十夜の元へ戻れるのをずっと待ってたよ」
大好きな人の元へ、戻って来れた。
「お前も誓え」
……え?
「もう、俺から離れないと誓え」
大きな手で頬を包まれて、漆黒の瞳があたしを真っ直ぐ貫く。
「……っ、うん。誓う。離れない、もう十夜から離れない……!」
そう言ったと同時に、頬に触れている手の力が強まって、再び背中に腕を回されて抱き締められた。
……誓う。誓うよ。
もう、十夜から離れないって。
絶対離れないって。
ずっとずっと傍にいるって誓う。
だから、十夜も傍にいて。
ずっと。
「……十夜、だい──」
「おーい。そろそろいいですかー」
す、き……ってちょっとー!
あと一息という所で邪魔が入り、言葉詰まる。
この声は煌。絶対アイツだ。
っていうか、アイツしかいない。空気読めない奴は。