Ri.Night Ⅳ
いやいや、あたしは異常じゃない。
あの二人よりはだいぶマシだ。
と思いたい。
「凛音ちゃーん!!」
「凛音さん!!」
「凛音ちゃん!」
一人でブツブツ喋っていると、地鳴りのような足音が聞こえてきた。
「あ、勇介達が来た」
隣にいた陽が声がした方を指差す。
「みんな………」
振り向くと、そこには勇介くんや千暁くん、その他の鳳皇メンバーがこっちに向かって走ってきていた。
「凛音ちゃんっ!」
「凛音さーん!」
口々にあたしの名前を呼ぶ皆。
ブンブンと大きく手を振りながら走ってくる。
近付くにつれてハッキリと見えてきた皆の顔。
それは、眩しい程の笑顔だった。
まるで暴走の時に見たような、屈託の無いキラキラとした笑顔。
「アイツ等はお前が帰ってくるのをずっと待ってたんだ」
「………」
「アイツ等はお前を心配してた。必死になってお前を捜してたよ」
みんな………。
煌の大きな手が頭上にポスッと優しく乗せられる。
「アイツ等もお前の事が大好きなんだ」
「……うぅ…」
煌の語りかけるような優しい声色にギュッと胸が締め付けられて。
「……あたしも、みんなが大好きだよ」
涙が、零れた。