Ri.Night Ⅳ
────…
「お前、遅ぇ。そんなに腹痛かったのかよ」
「ち、違うよ!顔洗ってたの!」
皆の前でなんて事言うのよ!馬鹿煌!
リビングに入るなりそう言われて、引いた熱がまた熱が舞い戻ってくる。
こんなあたしでも一応女。恥じらいぐらいある。
いくら親しい仲だと言っても、大勢の男の前で腹痛でトイレに籠っていたと言われたら恥ずかしい。
全く、乙女心が分かってないんだから!
「凛音!見て見て!コイツすっげぇ可愛い!」
ソファーから立ち上がり、小走りでこっちへ走ってきたのは陽。
その陽の手にはジュニアがいて。
両脇を掴まれ、足がブラブラ状態のジュニアは抱っこと呼ぶには程遠い抱き方。
「ククッ。俺にはお前の方が可愛く見えるよ。なぁ、凛音?」
「ちょ、嵐ちゃん重たい!頭に腕乗せないでっていつも言ってるでしょ!」
頭に筋肉が乗っかったせいで首がグキッって捻った。
ホント有り得ない!
「しっかし、お前、ホントお猿みたいだよな~」
ちょ、無視すんな!
「さ、猿って言うな!お前こそ富士山みたいな頭してんだろ!」
「ぶはっ……!」
「ぶーー!!」
「あ、陽!!」
陽の富士山発言に、同時に飲み物を吹き出した彼方と煌。その隣では壱さんがわたわたと慌てている。