Ri.Night Ⅳ
陽、それ嵐ちゃんには禁句だから!
でも。
「やっぱ誰が見ても富士山に見えるよねーその髪型!」
何回見ても笑えるんだな、これが。
「テメェ、このまま潰してやろうか!」
「ギャー!ギブギブギブ!」
より一層重くなった腕の重みにベシベシと腕を叩く。
けど、いくら叩いても重みは増すばかりで一向に軽くならない。
ちょ、ホント首折れるから!
「嵐ちゃん!ホント──」
「イテッ!分かった!分かったから咬むな!」
「降参!降参!」と嵐ちゃんの腕を連打していると、思わぬ救世主が現れて腕が解かれた。
「ハァ……」
首の締め付けがなくなって、安堵の溜め息が出る。
「痛いっつーの!」
一息ついている間も嵐ちゃんは悲痛な声を上げていて。なんだなんだと振り返ってみれば。
「ジュニア!?」
なんと、嵐ちゃんの肩にはジュニアがいた。
しかも、嵐ちゃんの肩を小さな口で何度も何度も咬んでいる。
「ジュニア、よくやった!」
思わず握り拳を作るあたし。
すると、噛むのをやめたジュニアがピョンとあたしの肩に飛び乗ってきた。
そして、頭をあたしの頬に擦り擦り。
「凛音、超懐かれてるんだな!」
それを見た陽がキラキラと瞳を輝かせる。