Ri.Night Ⅳ
「……何だかあたし達同じ様な事ばっかり言ってるね」
“あの時”も言われた。
そして言った。
『……もう、俺から離れないと誓え』
『……っ、うんっ、誓う……!
離れない、もう十夜から離れないっ……!』
鳳皇に戻った“あの時”、あたしは誓ったんだ。
十夜から離れないって。
「お前馬鹿だからな。何回も聞かねぇと忘れんだろ?」
「ちょ、馬鹿って何よ!馬鹿って!」
「違うのか?」
「ち……!がわないけどっ……!」
ムカつく!
図星だから余計にムカつく!
「クククッ……。認めんのかよ」
「む……」
余程ツボに入ったのか、肩を小刻みに震わせて笑っている十夜。
それは屈託のない純粋な笑顔だった。
「十夜、いい加減離れてよ!」
「何で」
「な、何でって……」
この体勢はどこからどう見ても恥ずかしいでしょうが!
ベンチに座っているあたしと、その前に立っている十夜。
あたしの腰には未だ十夜の右腕が回されたまま。
そのせいで全く身動きが取れない。
辛うじて上半身を反らせるか反らせないかだ。
密着し過ぎて心臓が壊れそう。