Ri.Night Ⅳ
69.帰り道
「凛音」
「十夜!」
三人から離れたちょうどその時、背後から十夜に声を掛けられた。
それを合図に“遊び”は終了。
相手していた三人が「疲れたー」と言ってその場に仰向けになって倒れる。
それを見てフゥと小さく息を吐き出した。
……ったく、こっちの方が疲れたっつーの!
身体鈍ってんのに流石に三人はキツい。
けど、久々にした“遊び”は楽しかった。
やっぱあたしは頭使うより身体動かす方が好きだ。
って。
「十夜、駄目!こっち来ないで!」
「あ?」
あたしの手を掴みに来ようとする十夜から後退し、待ったを掛ける。
「あたし汗臭いから近寄らないで!」
忘れてた。忘れてたよ。
完璧忘れてた。
九月が近いと言えど今はまだ夏。
あたしからするとまだまだ真夏だ。
こんな遊びをしたら汗をかく事ぐらい分かっていたのに。
あぁー、最悪!
「別に汗臭くねぇし」
「これから汗臭くなるの!」
「何だよそれ」
あたしも意味分かんないよ!
あぁ、もう!取り敢えず臭いったら臭いの!
「……って、だから来ないでってば!」
もう!乙女心全然分かってないんだから!