Ri.Night Ⅳ
「……十夜、ごめん、ごめんね。大丈夫だから。分かってる」
分かってるから。
十夜があたしを想ってくれてる事分かってる。
ちゃんとこうやって態度で示してくれてるから。大丈夫。
「お前だけだから」
「……うん」
あたしも、十夜だけだよ。
こんなに好きだと思うのも。
こんなに不安になるのも。
好きだから、不安になるの。
でももうそれは表に出さないようにする。
「十夜、好き……」
心配かけたくないから。
「凛音……」
十夜にこれ以上心配かけたくないから。
哀しい顔、させたくないから。
「……っ」
そっと触れる唇。
それはどの言葉よりもハッキリと“想い”を伝えられる方法。
不安を掻き消して。
“好き”という想いだけが心を満たしていく。
「傍にいるから」
「……うん」
そうだ。
昨日十夜と約束した。
“傍にいる”
“もう離れない”
そう誓い合った。
不安になったらその言葉を思い出そう。
十夜の言葉を。
十夜の声を。
十夜の顔を。
思い出せばきっと不安なんて消えていく。
きっと──