Ri.Night Ⅳ

「何で男装な訳?」


不意にそう問い掛けられ、声の主、煌の方へと目を向けた。


目が合った煌は怪訝な表情で煙草を燻らせていて。

自然と溜め息が出る。



「十夜がこの格好だったら外出OKって言うから……」


夏休みも残り僅か。

色んな事があった分、最後ぐらいは妃奈と楽しく遊びたい。


そう思ったあたしは、駄目元で十夜に「遊びに行ってもいい?」と聞いてみた。


返事はもちろんNO。


けど、それにはちゃんと理由があった。


それは、あたしが“鳳凰妃”に就いた事がバレてしまったということ。


と言うよりも、バラされたと言った方が正しいのかもしれない。


まぁ、学校でも十夜達と接触してるし、繁華街でも一緒にいる所を目撃されているから今更と言えば今更なんだけど。


けど、あたしが“鳳凰妃”に就いた事はまだ正式に発表してなかったから知られてるのはどう考えてもオカシイ。


広めたのはタイミング的にDに間違いないだろう。


あたしが鳳皇に戻った事を知っているのは奴等しかいない。


公表する予定だったから手間が省けて良かったと煌が言っていたけど、予定が狂ったのは確かだ。
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