Ri.Night Ⅳ
「……あの?」
さっきから遥香さんの視線が突き刺さって痛い。
何故か無言でずっと見られている。
何だろう。そんなにこの姿が不思議なんだろうか……。
「あ、ごめんね。余りにも凛音ちゃんと違いすぎて。それにちょっと信じられなくて」
「信じられなくて?」
信じられないってこの姿が?
「凛音」
「……十夜」
不意に呼び掛けられ振り向けば、話し合いは終わったのか、鳳皇、獅鷹両幹部があたし達の元へ集まっていた。
「凛音、俺達はこのまま帰る。何かあったら電話しろ」
「うん」
十夜の横に並んだ貴兄があたしの頭を撫でる。
「あんまり心配させるなよ?今日みたいに突っ走るな。緊急事態だったから許したけど次は許さないからな」
「うん。ごめん、貴兄」
心配してくれているのが丸分かりなその笑みに素直にゴメンと謝る。
「お前はいっつも考え無しに突っ走りすぎなんだよ!敵が多かったら──」
「嵐、落ち着けって」
後ろで嵐ちゃんが何か口煩く言ってるけどスルー。
構ったら永遠に続きそうだもんね。
「あの、今日は助けて頂きありがとうございました」
「ありがとうございました」
貴兄をはじめ、獅鷹幹部に頭を下げる遥香さんと葵さん。
そんな二人に貴兄は軽く頭を振ると、
「いや、俺達は何もしてないよ。それに、君達を巻き込んだのは俺達だ。逆に此方が謝罪しないといけない」
二人に謝罪し、頭を下げた。
「いえ、そんな……」
「十夜、彼女達はどうする?護衛をつけた方がいいだろ?それとも鳳皇で匿うのか?」