Ri.Night Ⅳ

「優音」


「なんだよ」


「ごめんね。あたしの為にこっぱずかしい事暴露させて」


「……は?」


「リンにヤキモチ妬いてる優音超可愛かった」


「なっ……!」


「妃奈に伝えておくから安心してね?」


「ちょ……!」


「優音が“リンばかりじゃなく俺にも構って欲しい”って言ってた事伝えておくから」


「り──!」


「あと、クッション抱き締めながらいじけてたっていうのも言っとくよ」


「ちょ、タンマ!言うな!絶対言うな!」


「妃奈どう思うだろうね」


「だぁー!馬鹿凛音!ヤメロってばっ!」



さっきの優音を思い出しながら淡々と言葉を零すあたしに反して、徐々に赤らんでいく優音の顔。


あたしの言葉で羞恥が募ってきたのか、優音の顔が茹で蛸みたいに真っ赤になっていた。


「さ、さっきのはただの芝居だっ!」


抱き締めていたクッションを放り投げ、ソファーから飛び降りた優音があたしの脇腹を擽りにくる。


「ちょ……!タンマ!こちょこちょしないでっ!優音!くすぐったいっ……!」


まさかの反撃に急いで抵抗するが男の力に敵う筈もなく。


それでも頑張ってなんとかやり返すと、勢い余って二人一緒にフローリングの上をゴロゴロ転がった。



「……優音、ありがとね」


仰向けに転がっている優音の胸の上にそっと頭を乗せる。


聞こえるのは、少し速い鼓動の音。


ふと頭の端でこの体勢カップルみたい、と思ったけど、あたし達からすれば今更で。


だってホラ。優音も手繋ぎにきた。


「……俺等、バカップルみたいじゃね?」


「フハッ!あたしも今それ思ってた!」


やっぱり双子だ。こんな時まで考えてる事が一緒なんて凄い。
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