Ri.Night Ⅳ

言葉だけじゃない。



『……我慢してんじゃねぇよ。泣きたい時は泣け』



──女達から助けてくれた後、そう言って抱き締めてくれた事も。



『……それをつけたのはアイツじゃねぇ。“俺”だ。そう思ってろ』



──中田の“痕”を消してくれた唇も。



『──ホラ、手』



──繋いでくれる温かくて大きな手も。



『すぐ行く。待ってろ』



──助けに来てくれた時に向けられた力強い眼差しも。



『……凛音』



──甘い囁きと共に落とされるキスも。


全部全部十夜の優しさだった。


あの優しさは嘘じゃない。



「……優音、思い出させてくれてありがとう」



近くで見てた。

そして、感じてた。


十夜の“優しさ”を。


それを信じたから誓い合った。



『……もう、俺から離れないと誓え』


『……っ、うんっ、誓う……!

離れない、もう十夜から離れないっ……!』



強く抱き締めて誓い合ったんだ。

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