時にはケダモノくんなのです
奏side
「なんで俺まで映画見るんだよ」
さっきまで健人の家に居て今は映画館だ。
「いや〜なんか流れたCMが面白そうだったんだよ!」
面白そうって恋愛系の映画だろ…
俺全く興味ないんだけど……
「そんな嫌な顔すんなって!
たまには親友に付き合えよ!」
ヘラヘラ健人は笑いながらそんなことを言った。
普段から映画も全然見ない俺は全く関心がない。
「奏の顔なら恋愛物好きそうだけど」
プッ笑う健人は明らかに俺を馬鹿にしてる。
「帰る」
クルッと回れば健人は慌てて、嘘だよ嘘!と俺の腕を掴む。
「ほら!今日だけ付き合えって!」
すごく楽しそうな健人はチケットを購入する機械まで進む。
健人の容姿ならいくらでも女連れてこれるだろ……。