時にはケダモノくんなのです
何も喋らない萩野に、正直俺もなんて声をかけたらいいのか分からない。
植上のことが気に入ってたんなら最初から言ってくれてた方がよかったのに…
一緒に帰るのやめさせたり、怒鳴ってキレたりして…
あんなの萩野からしたらただのいい迷惑じゃん。
「………映画…見に来てたんだ」
頑張って俺は萩野に声をかける。
正直頭の中が真っ白。
「え…あ……う、ん…。」
少し焦ったような表情を見せる萩野は、植上と来ていることを俺が知らないと思ってるはずだ。