時にはケダモノくんなのです
「はぁっ…はぁっ…」
探しても探しても館内で見つけ出すことができない。
もう外に…?
周りをキョロキョロと見回すと…
「あ…」
折原君のことを見つかることが出来た。
その横に五十鈴君の姿はない。
急いで折原君の元へ駆け寄る。
「折原君!!」
私にしては珍しく大声を出す。
振り返って私の顔を見ると折原君はとても驚いた顔を見せる。
「あれ…萩野さん」
折原君はハァハァと息を切らす私を見て少しびっくりしてる。
「さっき五十鈴君と会ったんだけど…
どこに行ったか分かる…っ?」
その言葉を聞いた折原君はバツの悪そうな顔をして…
「やっぱり萩野さんと会ったんだね。
奏なら先に外に出ちゃったんだけど…」
折原君が言うには、急に先に帰ると言って五十鈴君は外に出てしまったらしい。
「私…今なら自分の気持ち言える気がするの…。
だから五十鈴君のこと追いかけてみます!」
そう折原君に言葉をかけて、また私は足を精一杯動かした。
私が去った後に折原君は…
「頑張れ、2人とも」
柔らかく微笑んで呟いていた。