時にはケダモノくんなのです







「はぁっ…はぁっ…」








探しても探しても館内で見つけ出すことができない。








もう外に…?







周りをキョロキョロと見回すと…








「あ…」








折原君のことを見つかることが出来た。







その横に五十鈴君の姿はない。










急いで折原君の元へ駆け寄る。






「折原君!!」






私にしては珍しく大声を出す。







振り返って私の顔を見ると折原君はとても驚いた顔を見せる。







「あれ…萩野さん」






折原君はハァハァと息を切らす私を見て少しびっくりしてる。








「さっき五十鈴君と会ったんだけど…



どこに行ったか分かる…っ?」








その言葉を聞いた折原君はバツの悪そうな顔をして…








「やっぱり萩野さんと会ったんだね。



奏なら先に外に出ちゃったんだけど…」









折原君が言うには、急に先に帰ると言って五十鈴君は外に出てしまったらしい。









「私…今なら自分の気持ち言える気がするの…。


だから五十鈴君のこと追いかけてみます!」









そう折原君に言葉をかけて、また私は足を精一杯動かした。












私が去った後に折原君は…












「頑張れ、2人とも」








柔らかく微笑んで呟いていた。














< 178 / 209 >

この作品をシェア

pagetop