君がいる毎日
pm 1:00
「加奈さんっ!」
出迎えてくれた加奈さんに、私は思わず抱きついた。
「楓佳ちゃん、元気だったぁ?」
加奈さんは私の背中をポンポンと優しく叩きながら、「ゆづくん、上がって上がって」と微笑む。
「おじゃましまーす」
唯月がスニーカーを脱いだちょうどその時、リビングの方から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
私と唯月はベーカリーカフェから車で十五分ほどの場所にある、加奈さんのマンションに来ていた。
四月の頭に、加奈さんは無事に男の子を出産した。
無事にとは言っても、赤ちゃんは3700グラムもあったらしく、初産の加奈さんはかなりの出血で本人いわく『生死の境をさ迷った』と言う。
「私が生死の境をさ迷ってるというのに、旦那ったらその血液を見て貧血で倒れたのよ。私より手がかかったって後で助産師さんに言われたっつうの」
そんな赤ちゃんはお名前を龍之介(りゅうのすけ)くんといい、生後三ヶ月で八キロを越えたそうだ。
この前に来たときは、まだ生後一ヶ月で小さな泣き声だった龍之介くんだったけど、今日は大きな声をあげてたくましく泣いている。
「もう首も座ってるから、縦抱きしても大丈夫よ」
お土産を渡したあと、リビングのソファーに座っていた私の膝に、加奈さんは泣き止んだ龍之介くんを載せた。
「わ……こ、こうですか?」
首が座っているといわれても、まだまだ小さな赤ちゃんだ。
どうやって抱っこすればいいかわからない。
おずおずと抱っこすると、せっかく泣き止んだ龍之介くんの顔がたちまち歪んだ。
「あー、泣いちゃう。加奈さん!」
加奈さんに助けを求めると、横に座っていた唯月がひょい、と龍之介くんを抱き上げた。
そのまま立ち上がってゆっくり揺らすと、龍之介くんは安心したようにうとうとし始める。
そんな姿を見ていると、唯月の優しさとか温かさは泣いている赤ちゃんまで癒してしまうのかと驚いた。
出迎えてくれた加奈さんに、私は思わず抱きついた。
「楓佳ちゃん、元気だったぁ?」
加奈さんは私の背中をポンポンと優しく叩きながら、「ゆづくん、上がって上がって」と微笑む。
「おじゃましまーす」
唯月がスニーカーを脱いだちょうどその時、リビングの方から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
私と唯月はベーカリーカフェから車で十五分ほどの場所にある、加奈さんのマンションに来ていた。
四月の頭に、加奈さんは無事に男の子を出産した。
無事にとは言っても、赤ちゃんは3700グラムもあったらしく、初産の加奈さんはかなりの出血で本人いわく『生死の境をさ迷った』と言う。
「私が生死の境をさ迷ってるというのに、旦那ったらその血液を見て貧血で倒れたのよ。私より手がかかったって後で助産師さんに言われたっつうの」
そんな赤ちゃんはお名前を龍之介(りゅうのすけ)くんといい、生後三ヶ月で八キロを越えたそうだ。
この前に来たときは、まだ生後一ヶ月で小さな泣き声だった龍之介くんだったけど、今日は大きな声をあげてたくましく泣いている。
「もう首も座ってるから、縦抱きしても大丈夫よ」
お土産を渡したあと、リビングのソファーに座っていた私の膝に、加奈さんは泣き止んだ龍之介くんを載せた。
「わ……こ、こうですか?」
首が座っているといわれても、まだまだ小さな赤ちゃんだ。
どうやって抱っこすればいいかわからない。
おずおずと抱っこすると、せっかく泣き止んだ龍之介くんの顔がたちまち歪んだ。
「あー、泣いちゃう。加奈さん!」
加奈さんに助けを求めると、横に座っていた唯月がひょい、と龍之介くんを抱き上げた。
そのまま立ち上がってゆっくり揺らすと、龍之介くんは安心したようにうとうとし始める。
そんな姿を見ていると、唯月の優しさとか温かさは泣いている赤ちゃんまで癒してしまうのかと驚いた。