猫柳の咲く季節に


そして、2-3に着いた。


だけど、人が少なくて、さっきはあんなに長くできていた行列も、今は嘘のよう。


どうして…?


その理由はすぐにわかった。


店員さんが『OPEN』と書かれた札を裏に返していたから。


そっか、完売したんだ…


私は落ち込む。


柏木くんに迷惑かけたよね…


「…ごめんね」


「謝らないで。永瀬さんのせいなんかじゃないんだから」


「でも……」


「俺、永瀬さんのクラス行きたいな」


「…え?」


「ネコのこと、宣伝してくれたんでしょ?」


あ……


覚えていてくれたんだ…!


「案内頼んでもいい…?」


「うん…!」



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