猫柳の咲く季節に
『My town』
大きく掲げられたその看板は、人々の波にもまれてあまり目立っていない。
もっと上の方に吊るせば良かったかな…
そんなことを考えながら、私のクラスに着いた。
教室内には、ついたてのように掲示された街紹介の模造紙の間あいだにお客さんが数人だけいる。
やっぱり、おばけ屋敷なんかと違って、こういう展示ものは人気がないんだな…
そう思うと、今までの頑張りが少し無駄になったような気がして、心が悲しい。
「…入ろっか、永瀬さん」
「うん」