猫柳の咲く季節に
同じシールなのに、柏木くんのシールだけ目立って見えるのはなぜだろう。
不思議。
「私も、貼ってくるね」
そう言い残して、隣のついたての向こうに行こうとしたら、くんっと、右腕を引かれ、少しよろめく。
「…っわ!」
強く握られた私の右腕は、柏木くんの手に包まれていた。
「柏木くん……?」
「待って」
柏木くんは手をゆっくりと離す。
それと同時に、人差し指から1枚の小さなシールが柏木くんの手に渡る。
柏木くんは、あの模造紙にそれを貼った。
あの、1番見覚えのあるやつに…