猫柳の咲く季節に


「ひゃっ……!」


そんなとき、ほおに冷たい刺激を感じた。


その正体が柏木くんの大きな手だと分かったときに、また顔があつくなる。


「永瀬さん、顔赤い…」


心配そうに見つめ、さらに両手で私の顔を優しく包み込む。


「大丈夫…?どっか痛い?」


「………っ」


どこも痛くないよ、って伝えたいはずなのに、柏木くんの両手に心が支配されて、言葉にできない。


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