猫柳の咲く季節に


「……私は、大丈夫…っ」


緊張して、話したいことが上手く繋がらない。


「そう…?」


「う、うん…」

両手を離されて、ようやく解放された。


「なら、いいけど…無理はしちゃだめだよ」


「……分かってるよ」


本当に?、ってまた聞いてくる。


私は高校生なんだから、大丈夫だよって言ったら、柏木くんは優しく微笑んだ。


まるでお母さんみたいだ。


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