猫柳の咲く季節に


「電話の方ですか…?」


「はい!北沢1年、吉澤 千鶴(ちづる)と申します」


メガネの奥の小さな目をきゅっと細めて、暖かく笑った。


それがまた可愛くて、私もつられて笑う。


「では、吉澤さん…」


「あ、千鶴でいいですよ。それと、タメ口にしてください、固いのはいやなので!」


「え…いや、でも…初対面ですし…」


「そういうことなら大丈夫です!」


「……?」


どうしてだろう。


「実は私、彼、柏木 伊月くんと同じ学校なんです」


「そう…なんですね」


制服を見たときからなんとなく思っていたけど…

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