猫柳の咲く季節に

古い記憶ー柏木くんの思いー



伊月side


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それは、小学生のときだった。


たしか、3年生くらいかな…


結構前だからうろ覚えのところもあるけど、そこは気にしないで聞いてほしい。


始まりは突然で、放課後、近くの公園で小さなダンボール箱を見かけたのがきっかけ。


その箱には、汚れたぞうきんのような、茶色いネコがいた。


正直、かわいいとは思えなくて、そのときは素通りして、家に帰った。


だけど、数日たっても箱はそこに存在していて、中を覗いて見ると、当たり前のようにネコもいる。


なんで、いるんだよ…


誰にも飼われてもらえないのかよ…

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