猫柳の咲く季節に


でもOKしてくれることはなかった。


俺は泣きそうになった。


くぅーん、と鳴くこのネコと一緒に暮らしたくて…


でも、泣いたらだめなんだ。


諦めちゃいけない。


「伊月、ちょっと聞いてくれる?」


涙を必死にこらえる俺に、話してくれた。


事件についてのこと。


ここら辺の住宅地で、野生のネコや捨てネコの病気や死が相次いでいるらしい。


母さんも聞いた話なので詳しくは知らないが、原因は毒の摂取だという。


誰かが、毒性のものを食べさせている可能性が高いそうだ。

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