猫柳の咲く季節に


それから、数日たったある日のこと。


拓海に呼び出された。


たしか、ミケとの思い出の場所でもある、あの公園。


正直、ミケが死んでからその公園には行ってなかった。


ミケを思い出すと、今でも泣きそうになるから。


「…で、どうしたの?拓海」


公園のど真ん中。


俺はベンチに座る拓海に問う。


その言葉に深い意味はなかったはず…


だけど拓海は、睨むような目つきで、見上げる。

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