猫柳の咲く季節に
それからというもの、私は毎日、図書館へと足を運んでいた。
また、会えるかもしれない。
柏木くんに会えるかもしれない。
そう思っていたからだ。
誰かに会いたいと思ったのはいつぶりだろう。
ここ何年も考えたことはない。
でも今は、会いたいと思える相手がいる。
それだけでなんだか嬉しかった。
だけど、そんな私の淡い思いは虚しく、柏木くんに会えたのはあれっきりだった。
図書館にはもうこないのかな、なにかあったのかな。
そんな思いがつのるばかりで胸が苦しい。