猫柳の咲く季節に
「なぁ、伊月…」
「え、なに…?」
「あのときの言葉、覚えてる?」
あのとき…?
もしかして、あの喧嘩のこと?
「『責任持って、最後まで育てろよ』」
拓海はベンチからおりて、俺の前へと歩いてくる。
「あのとき、俺に向かってそう言ったよな?」
俺は怖くて、腰を抜かしてしまう。
「拓海なら信頼できる…。そう思った俺がバカだったのかな」
「な、何が言いたいんだよ…!」
拓海は、座りこんで、俺の胸ぐらを強く掴んだ。