猫柳の咲く季節に
きっと今日も会えない。
そう思いながら、図書館で本棚を見渡しているときだった。
あ……!
見覚えのある人影。
嬉しいような恥ずかしいようないろんな気持ちが混ざりあって、思わず立ち止まる。
すると、こっちに気付いたみたいで本をしまって駆け寄ってきてくれた。
「久しぶり、永瀬さん」
「うん」
私のこと、覚えていてくれたんだ…。
そう思うと胸がいっぱいになって、たったこれだけしか言えなかった。