猫柳の咲く季節に
第5話
夏休み明けの後残り
長いようで短かった夏休みが開けて、また登校する日がやってきた。
たった1ヶ月ほど会えなかっただけなのに、なぜかクラスメイトに懐かしさを感じてしまう今日。
久しぶりの学校だから、忘れ物がないかとか、何か変じゃないかとか、いつも以上に気を配ってしまう。
「あ、永瀬!おはよっ」
登校中、入谷くんに遭遇した。
「…おはよう」
入谷くんの長くてふわふわしていた髪は、短く切られている。
「…髪、切ったんだ」
「まあね、結構前から先生とかに長すぎって言われててさ。夏だし、切っちゃった」
「…へぇ、そうなんだ」
確かに、あれじゃ、校則とか引っかかりそうだけど。