猫柳の咲く季節に



「実はね、見せたいものがあるんだ」


え…?


「私に…?」


「そう、君に」


なんだろう。


気になる気持ちが高まってゆく。


すると、柏木くんが「来て」と言って私を呼ぶ。


小走りで後を追うと、ついた先は図書館裏の公園だった。


がさがさとベンチの後ろの草むらをあさる柏木くん。


そして、一瞬嬉しそうに顔をほころばせ、それをゆっくりと持ち上げた。


「じゃーん、これだよ」


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