猫柳の咲く季節に


「ねぇ、拓海…」


後ろから、俺の名を呼ぶ声が聞こえる。


振り向くと、不安そうに見つめる希美。


なんで、希美が不安がるんだろうか。


そう思ったけど、何か事情があるんだと思い、あえてそれは聞かないようにした。


「ん?なに」


「昼休み、屋上に来て?」


「…え?」


「話したいことが、あるから…!」


話したいこと…?


それだけ言うと、希美は友だちのもとへ帰ってしまった。

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