猫柳の咲く季節に


「入谷くんもいるのに…?」


「……!」


その瞬間、口をぷくーっと膨らませて、私を睨んだ。


さっきとは違い、涙でぐちゃぐちゃになった顔をより赤く染めていたので、あまり怖くはなかった。


むしろ可愛い。


これがいつもの希美ちゃんだ。


よかった…

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