猫柳の咲く季節に
そして私たちは、保健室へ向かった。
なんとなく、屋上へ行くのはイヤだったんだ。
あの空に気持ちを任せてしまうと、なんだか全てを許してしまうような、そんな気がするから。
「失礼します」
コンコン、とドアをノックして保健室に入る。
ここへ来るのは、あの日以来2回目になる。
あの時は、希美ちゃんの一言で傷ついてここへきた。
だけど今は、希美ちゃんと一緒にここにいる。
なんだか、不思議な感じだ。