猫柳の咲く季節に


「 …っ!どうして…!?」


「別に、希美のためとかじゃないから」


私に背を向けたまま、そう言った。


それでも、嬉しいよ…


味方がいるんだもん。


「ありがとう、拓海」


私のためじゃなくたって、守ってくれているのは事実。


そのことが、夢みたいだよ。


そのとき、胸がきゅんと小さく鳴った。


拓海を好きになったのは、このときかもしれない。


ありがとう、拓海。

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