猫柳の咲く季節に

未来の記憶ー希美ちゃんの心ー



それから、私は高校生になった。


いじめはあのとき以来徐々に減っていき、今は、私がネコ殺しだっていううわさも消えつつある。


私はあのころに比べて強くなった。


やっぱり、守られるだけではだめだって思ったから。


入学式の日、私は1人の女子に出会った。


単なるひとりぼっちのクラスメート。


それが、彼女への第一印象。


でも、見ているうちにだんだんと昔の自分と重ね合わせていた。


友だちがいない辛さは、私がよく知っている。


それに、もしいじめられていたりしたら…


そう思ったら、声をかけずにはいられなかった。

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