猫柳の咲く季節に


そして、夏休みが明けて2日くらいたったころ。


友だちがある写真を見せてきた。


「これさ、入谷くんと永瀬さんじゃない?」


駅前のカフェで楽しく話す2人の姿。


もしかしたら、ただ友だちとして遊んでいるだけかもしれないけど、だけど、こんな写真を見るのはやっぱり辛い。


思わず、目から大粒の涙がこぼれてしまう。


「っうわ、希美!?」


「大丈夫!?」


友だちがそう心配してくれる。


だけど、どうしてもこの涙は止まってくれない。

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