猫柳の咲く季節に


「本当だよ、入谷くんとは何もない…!」


それを聞いて、気持ちがより一層複雑になる。


拓海が好きだけど、永瀬さんのことも同じくらい好きだから、2人を応援しようってせっかく思えたのに、永瀬さんには、そんな気持ちないみたいだ。


私は、なんだか切なくなって、思わずその場から逃げてしまった。


やっぱり、こんな私いやだよ。


すぐに永瀬さんを傷つけてしまうから。


永瀬さんは何も悪くないのに、私の勝手な思いで、またひとりぼっちにさせてしまうかもしれない。


もう、どうしたらいいんだろう。


引き戻せないよ…

< 249 / 514 >

この作品をシェア

pagetop