猫柳の咲く季節に


そんなとき、


「永瀬っ!!」


1番聞き覚えのあるあの声が、大切な友だちの名を呼んだ。


「大丈夫か…?」


拓海はそばへ寄り添い、優しく声をかけていた。


「ねぇ、拓海…」


それが悔しくて、私も話しかける。


「ん?なに」


「昼休み、屋上に来て?」


「…え?」


「話したいことが、あるから…!」


やっぱり、拓海にも聞きたい。


本当の気持ちを…


それだけ言うと、私は友だちのもとへ帰る。


緊張してしまう。


今日で、拓海との関係が変わるかもしれないから。


幼なじみから、なにかに…

< 250 / 514 >

この作品をシェア

pagetop