猫柳の咲く季節に
そんなとき、
「永瀬っ!!」
1番聞き覚えのあるあの声が、大切な友だちの名を呼んだ。
「大丈夫か…?」
拓海はそばへ寄り添い、優しく声をかけていた。
「ねぇ、拓海…」
それが悔しくて、私も話しかける。
「ん?なに」
「昼休み、屋上に来て?」
「…え?」
「話したいことが、あるから…!」
やっぱり、拓海にも聞きたい。
本当の気持ちを…
それだけ言うと、私は友だちのもとへ帰る。
緊張してしまう。
今日で、拓海との関係が変わるかもしれないから。
幼なじみから、なにかに…