猫柳の咲く季節に


「私ね、さっき告白しようとしたの…」


ぽつりぽつりと語り始める。


「言う前に、拓海に直接聞いたんだ。あのうわさを、本人に…」


正直、思い出したくない。


でも、言わなきゃ…


「そしたら、言ったの…永瀬さんが好きだって」


それを聞いて、嬉しそうに笑う。


見てるのが辛い。


だから、つい言ってしまう。


「付き合ってないって言ってたけどさ、いずれくっつくんでしょ?両思いなんでしょ?だったら、そう言ってほしかった…」


永瀬さんを傷つけてしまった。


だけど、その彼女から返ってきた言葉は予想外なもの。

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