猫柳の咲く季節に
「…では、教室に戻ります」
「あら、帰るの?」
パソコンをぱたんと閉じて、今にも壊れそうな古いイスから立ち上がる。
「せっかくなんだし、もっとゆっくりしていけばいいのに」
教師なのに、そんなこと言っても大丈夫なのか…?
変な疑問が頭をよぎる。
「いや、でも…」
「いいじゃない。たまには、サボったって。気持ちだってまだ落ち着いてないでしょうし、気分転換よ」
私と希美ちゃんはお互いに顔を見合わせる。