猫柳の咲く季節に


そして、放課後。


というか、早退したところ。


あのあと、保健室の先生が担任に適当にごまかしてくれたみたいで、私たちはあっさり帰ることができた。


正直、こんなにも罪悪感のある早退は初めてかもしれない。


「さっきは、話してくれてありがとう」


下駄箱でくつを履き替えながら言った。


「ううん。永瀬さんには、いっぱい迷惑かけちゃったし…」


「…気にしてないよ、そんなの」

< 270 / 514 >

この作品をシェア

pagetop