猫柳の咲く季節に


…………あ!


ツキを見ていると、シオの存在を思い出した。


今までずっと忘れてた…


ごめん、シオ。


ツキを千鶴さんに返し、草むらから犬小屋を取り出す。


まばゆい光に驚いたのか、シオは目をぎゅっとつむる。


それもまた、かわいいと思う。


目を開けたシオは、ツキがいることに気づいたらしく、にゃー、とひと鳴きした。


嬉しいんだね。


それに対して、ツキもにゃー、と鳴く。

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