猫柳の咲く季節に
「断ったほうがいいかな…?」
バッ!
そう言ったとき、私の肩が思いっきり掴まれた。
「そんなのやだ!」
「………えっ」
「私に気を使わないで!拓海だって本気なんだから、真剣に考えてほしいのっ…!」
目の前にある希美ちゃんの顔は、さっきとうって変わって、熱い目をしていた。
覚悟したのかもしれない。
きっと、今日は希美ちゃんにとって、忘れられない1日になるから。
「…分かった。ちゃんと考える」
お互いの手と手を取り合って、大きな笑顔を向けた。
大丈夫。
希美ちゃんは、何があっても私の友だちだから。