猫柳の咲く季節に


「拓海!お前、今日コクるって聞いたんだけど、マジ!?」


うわ……


もう、そんなにうわさが広まっていたとは。


やっぱり、高校生だから、女子だけでなく男子もこういうの好きなのか。


「そうだけど」


「相手は?俺の知ってるやつ!?」


なんだそれ…


俺は、そのベタだけど、よく意味が分からない質問に笑みをこぼす。


「お前が知ってるかどうかなんて、分かんねーよ」


「じゃあ、ヒント!ヒントちょーだい!」


「はあ?」


いちいちしつこいやつだ。


俺はもう、すっかり呆れて、無視をすることにした。


しばらくは、かまってほしいらしく、いろいろ言ってきたが、少しすれば、こいつも飽きたようで、他へ言ってしまった。

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