猫柳の咲く季節に


「まだ、残っていたんだ…永瀬」


うん、と小さく頷く。


緊張してるよね。


永瀬から話しかけてくれたの初めてだから。


「もしかして、待っててくれたの?」


「あ、えっと…」


どう返せばいいのか分からないみたい。


困らせちゃったかな…


「なんて、冗談だよ」


それを言ってもなお、表情を変えない。


本当だった…?

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