猫柳の咲く季節に


「入谷くんは、知ってるの…?」


「え、何を…?」


永瀬の目は、時々鋭い。


今だって、俺には想像もつかないようなことを物語っている。


「…もっと、ちゃんと希美ちゃんのことも考えてあげて」


どこか切なくそう話す永瀬に、よく分からない感情が芽生えた。


好きとは違う、難しい思い。

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