猫柳の咲く季節に


「………!」


キミのつぶらな瞳の中に、唇を重ねている自分が映っていた。


目を閉じて、ゆっくりとキミを味わう。


もがいていた体は、今にも倒れそうになるくらい。


やりすぎちゃったかな。


唇を離して、希美の体を支える。


「大丈夫?」


「………」


そう声をかけても、何も言わない。

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