猫柳の咲く季節に


「しおり、本当にしおりは悪くないんだよ。むしろ、しおりは私たちのために一生懸命になってくれたんだから、もっと胸を張らなきゃ!」


お手本を見せるように、どん、と大きく胸を叩いた希美ちゃん。


その健気な姿に、出そうと思っていた言葉も、すっかり記憶から消えてしまう。


「希美ちゃんは、変わったね」


「え?どういうこと!?」


「…分かんない」


えー!なにそれー!と口を尖らせて、またウインナーを食べ始める。

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