猫柳の咲く季節に


放課後、遠回りをして帰ることにした。


幼なじみだけあって、拓海とは家も近いから、気まずい雰囲気のなか会いたくない。


わぁ…きれいだな。


ちょっと進むと、歩道の両側に小さな花壇を見つけた。


いつもは、用事がない限り、こんな道通らないから、10年以上住んでいる街なのに、知らないことばかりだ。


そして、住宅街を曲がって、細い路地に出たところ。


目の前から、北沢高校の男子が歩いてくるのが見えた。


黒色を身にまとったその姿は、私に何かを感じさせる。

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