猫柳の咲く季節に


「いくよー!」


ブランコが最高潮まできたところで、勢いよく飛ばしたローファーは、砂場の近くで止まった。


「どう!?」


すごいでしょ、と満面の笑みを見せる。


「まあ、普通じゃね?」


挑発に乗ってくれたようで、拓海もくつを飛ばした。


黒く汚れたスニーカーは、私のローファーを追い越すことはなく、すべり台に当たって落ちた。

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