猫柳の咲く季節に
「1組、永瀬さん」
「はい」
まあ、1組なんだから、最初だよね。
そう思いながら、目の前の部長らしき先輩に、声と目線を向けた。
「同じく、新山さん」
…えっ。
私は、耳を疑った。
『同じく』ってことは、1組の…
考えが止まったとき、となりで聞き覚えのある声がした。
「はい」
それは紛れもなく、あの新山さん。
テニス部、行ったんじゃ…
困惑の表情を浮かべていると、新山さんが私に気付き、顔を向けて優しく微笑んだ。